ワセリンは皮膚科でも処方され、薬局でも安価で手に入り手軽に使うことが出来ます。
軟膏の基剤や化粧品の材料としてもよく使われますが、酒さの保湿にも使用出来るものなのでしょうか。
酒さとワセリン
まずワセリンとは、どういったものなのでしょう。
日本薬局方では、白色ワセリンは「石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して精製したものであると定義されています。
そうです。原料は石油なんですね。
原油からLPG、ガソリン、灯油などを取り出し残ったものを精製して取り出された「ペトロラタムゼリー」からワセリンは作られます。
ワセリンの効果と効能
ワセリンは肌表面に油性の保護膜を作る為、角質層の水分の蒸発を防ぐ効果と、外部刺激から肌を保護する効果があります。
乳液やクリームのように、界面活性剤を含みませんので、角質層に浸透することもなく、バリア機能を壊すこともありません。
そう言ったことから、肌の乾燥を防いだり、炎症や傷を保護し治癒に導いたりはしますが、ワセリン自体が成分として肌を潤したりすることはありません。
ですので、保湿剤というより、保護剤と言った方が正しいかも知れませんね。
ワセリンの種類
一口にワセリンと言っても、ワセリンにはいくつか種類があります。
純度の高い順にご紹介します。
白色ワセリン
1950年から発売されている、不純物が少なく安全性の高い軟膏です。一般的な軟膏の基剤にも使われています。
白色ワセリンには2種類あり、1つは「日本薬局方」の基準を満たした『第三種医薬品』でです。
もう一つは「化粧油」です。日本薬局方の白色ワセリンより若干品質が劣りますが、価格が安いのがメリットです。
プロペト
プロペトは、白色ワセリンよりさらに不純物と取り除いた、高純度で高品質なワセリンです。肌よりデリケートな目に使う眼軟膏の基剤に使われています。
白色ワセリンが使えない方に向いています。
サンホワイト
サンホワイトは不純物を徹底的に取り除き、ほとんど不純物を含まないワセリンです。プロペトよりも高純度・高品質ですので、極端に肌が弱い方はサンホワイトが一番向いていると言えます。
>>サンホワイト
酒さにワセリンを塗ってもいいの?
ワセリンは油性の強い物質です。
皮脂分泌過多の酒さの肌に塗ると、肌にフタをしてしまうことになりとても通気性が悪いです。ただでさえほてりの強い酒さの肌がますます熱を帯び、赤みが増えるだけでなく、湿疹が出来ることも。
(私がそうでした;)
それは黄色ワセリンより精製度の高い、白色ワセリンでもプロペトでも同じことです。
それに何度も書きますが、ワセリンは油性が強い為、とてもお湯だけでは落とすことが出来ません。
どうしても洗顔料が必要となる為、界面活性剤を避けたい酒さには不向きです。
《酒さに肌表面を塞いでしまう油分はNG》
ワセリンだけでなく、酒さには、肌表面を塞いでしまうような、重い油分は与えない方がいいです。
保湿は、最低限の成分のみで出来た低刺激の化粧水+水溶性のジェル、が
一番だと経験上思います。
そのジェルも重く感じられる時は、化粧水と混ぜて(溶いて)使うのがおすすめです。